骨密度低下を指摘された方へ
骨密度が下がると、骨がもろくなり骨折のリスクが高まりますが、早めに対策をとることで進行を抑えられます。食事ではカルシウムやビタミンD、タンパク質をしっかり摂ることが大切です。
また、ウォーキングや筋力トレーニングなどの適度な運動は骨を強くし、転倒予防にもつながります。喫煙や過度な飲酒は骨密度を低下させる要因となるため注意が必要です。
定期的に骨密度を測定し、必要に応じて薬による治療を組み合わせることで、骨粗鬆症や骨折を予防できます。ご自身の生活習慣を少しずつ整えて、健康な骨を保っていきましょう。
骨密度低下で生じる病気
骨粗鬆症
骨粗鬆症は、骨の密度や質が低下して骨がもろくなり、わずかな転倒や外力でも骨折しやすくなる病気です。特に閉経後の女性や高齢者に多く、背骨や大腿骨、手首などに骨折が起こりやすいのが特徴です。進行すると背中が曲がる、身長が縮む、慢性的な腰痛などの症状が出ることもあります。食事や運動習慣の改善、薬物療法によって進行を抑えることが可能です。
椎体骨折
骨粗鬆症に伴って起こることが多く、背骨を構成する椎体がつぶれるように変形する骨折です。転倒などの外傷がなくても、日常生活の動作や重い物を持ち上げる動作で起こることがあります。急な背中や腰の痛みを伴い、複数回起こると背中が丸くなる「円背」や身長の低下につながります。適切な安静、装具療法、薬物治療に加え、予防的な骨粗鬆症治療が重要です。
大腿骨近位部骨折(大腿骨頸部骨折)
高齢者に多く、転倒によって股関節に近い大腿骨の部分が折れる骨折です。骨密度低下が主な原因で、特に骨粗鬆症の方でリスクが高まります。骨折すると強い痛みで歩行が困難となり、手術が必要になるケースが多いです。長期の入院や安静が必要になることもあり、生活の質や生命予後に大きな影響を与えるため、予防が極めて重要です。
橈骨遠位端骨折(手首の骨折)
転倒して手をついたときに起こりやすい骨折で、特に骨粗鬆症の方に多くみられます。手首の橈骨の先端部分が折れるもので、腫れや強い痛み、変形が現れることがあります。日常生活に支障をきたすだけでなく、骨折を契機に骨粗鬆症が発見されることもあります。早期の整復や固定が必要であり、再発予防のためにも骨粗鬆症の治療を進めることが重要です。
上腕骨近位端骨折(肩の骨折)
転倒して肩を強打した際に起こりやすい骨折で、高齢者に多くみられます。上腕骨の付け根部分が折れるため、腕が動かせなくなり、激しい痛みを伴います。手術が必要になることもあり、治療後も肩関節の可動域制限が残る場合があります。骨密度低下が大きな危険因子であり、骨粗鬆症治療とリハビリを並行することが再発防止や機能回復につながります。
骨密度が低い人の特徴
加齢
年齢とともに骨量は自然に減少します。特に閉経後の女性はエストロゲン低下により骨吸収が進み、急激に骨密度が下がります。そのため高齢女性は骨粗鬆症のリスクが高く、早期の予防や治療が重要となります。
体格が小さい・やせ型
やせ型や小柄な方はもともとの骨量が少ないため、骨密度が低下しやすい傾向があります。体重が軽いと骨への負荷が少なく、骨形成が促されにくいため、骨折リスクが高まります。
生活習慣
運動不足や喫煙、過度な飲酒は骨を弱くする大きな要因です。適度な運動は骨に刺激を与えて強度を高めますが、活動量が少ないと骨量は低下しやすくなります。生活習慣の改善が予防に有効です。
栄養不足
カルシウム、ビタミンD、タンパク質の不足は骨の健康に直結します。特にカルシウムやビタミンDが不足すると骨形成が妨げられ、骨密度低下の原因になります。食事での栄養補給が大切です。
家族歴
家族に骨粗鬆症や骨折歴がある場合、遺伝的に骨密度が低下しやすい傾向があります。同じ生活習慣でも影響を受けやすいため、家族歴がある方は定期的な骨密度測定と予防が特に重要です。
病気や薬の影響
甲状腺疾患、副腎疾患、関節リウマチなどは骨量低下を引き起こします。また、ステロイド薬を長期使用している場合も骨密度が下がりやすく、骨粗鬆症予防の管理が欠かせません。
骨密度は上げることができる?
骨密度は加齢やホルモンの影響で自然に低下しますが、生活習慣や治療によってある程度改善・維持することが可能です。特にカルシウムやビタミンD、タンパク質を十分に摂取することは骨を強くする基盤になります。さらに、ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動は骨に刺激を与え、骨形成を促します。喫煙や過度な飲酒を避けることも重要です。骨粗鬆症と診断された場合には、骨吸収を抑える薬や骨形成を促す薬が使用され、骨密度の改善が期待できます。完全に若い頃の状態に戻すことは難しいものの、進行を抑え、骨折リスクを減らすことは十分可能です。
骨密度の検査
DXA(デキサ)法
最も一般的な骨密度測定法で、腰椎や大腿骨の骨密度をX線で測定します。精度が高く骨粗鬆症の診断基準にも用いられます。検査時間は短く、放射線量も少ないため安全に繰り返し行えます。
定量的CT(QCT)
CTを用いて骨の断面を三次元的に評価できる方法です。骨の内部構造まで測定できるため、詳細な評価が可能です。ただし被曝量がやや多く、一般的には補助的に行われます。当院では、必要な場合、連携する医療機関をご紹介させていただきます。
超音波法
踵の骨に超音波をあてて骨の強さを推測する方法です。放射線を使わず簡便で、検診などで広く利用されます。ただし精度はDXA法に劣るため、診断や経過観察には補助的に用いられます。
骨密度のよくある質問
骨密度は年齢とともに必ず低下しますか?
骨量は20~30代でピークを迎え、その後、徐々に減少します。特に女性は閉経後にホルモンの影響で急速に低下します。
骨密度の検査は痛みがありますか?
一般的なDXA法や超音波法は痛みを伴わず、短時間で終了します。被曝量も少なく安全に繰り返し受けられる検査です。
骨密度は何歳から検査した方がいいですか?
特に閉経後の女性や65歳以上の方、家族に骨粗鬆症がある方、痩せ型の方は早めの検査が推奨されます。
骨密度は1回だけ測れば十分ですか?
骨密度は年齢や生活習慣、治療の影響で変化します。定期的に測定することで、骨粗鬆症の進行や治療効果を確認できます。
骨密度が低くても痛みはありますか?
初期はほとんど自覚症状がありません。骨折や背中の変形が起こるまで気づかないことが多いため、定期検査が重要です。
骨密度を保つには何を食べればいいですか?
カルシウムやビタミンD、タンパク質を十分に摂ることが大切です。乳製品、魚、豆類、緑黄色野菜などをバランスよく取り入れましょう。
運動はどんなものが効果的ですか?
ウォーキングや階段昇降、筋力トレーニングなど、骨に適度な負荷をかける運動が有効です。無理のない範囲で継続することが大切です。
薬で骨密度は改善しますか?
骨吸収を抑える薬や骨形成を促す薬を使うことで、骨密度を維持・改善し、骨折リスクを減らすことが可能です。医師と相談して適切に使用します。
